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vol.7 小国町くじゅうわいた展望公園入口付近のバイク事故で道路に寝ていたのは私です

2023年11月11日 熊本県小国町バイクと軽乗用車の衝突事故

タンデムグリップ「MOTTE」開発者のSです。

 

前回の「救急搬送と入院」からの続きとなります。

 

小国公立病院へ緊急搬送され、そのまま入院となったわけですが、

今回は短い入院生活、事故現場の現場検証についてお話しします。

 

小国公立病院は小国町のほぼ中心地に位置しており、僅かですが目的地の「阿蘇神社」へ皮肉なことに

救急車で近づくことになりました。

 

阿蘇郡小国町は熊本県の最北端、阿蘇外輪山の外側にあり筑後川の上流に位置しています。 

「北里柴三郎記念館」を有するのどかな町で阿蘇山、大分へのツーリングの分岐点となっています。

 

「腰椎横突起骨折」というのは腰のあたりにある短い横に飛び出た骨の骨折のことです。

サッカーやラグビーなど身体をぶつけ合うスポーツでよくある骨折で基本コルセットを装着して

時間をかけて自然治癒を待つ療法となります。

「腰椎」本体が折れてしまうと重篤な症状となるので想像しただけでもゾッとします。

 

周りの人からは「バイクが身代わりとなった」と評する声もありましたが、結構スピードが落ちていた事、

太刀洗平和祈念館で先人の方々に感謝の意を伝えたことなどが幸いしたのではないかと分析しています。

 

余談ですが、福岡に戻って通院した整形外科の先生が「ネイマールも試合中折れた」と何回も嬉しそうに話してくれましたが、「人間と車を一緒にすな!」といつも心の中でつぶやいていました。

 

入院した一般病棟は大部屋で先に高齢の患者さんが3名程入院されていました。

コルセットをつけて痛くないベットの角度を探ったり事故当時を回想していると夕方に事故担当の

警察官から様子伺いの電話がかかってきました。

会話の中で「加害者のドライバーは前を全く見てなかった」と証言していたとの報告がありました。

私は「そりゃそうでしょう。私もずっと見てましたから」などと症状や診断書、現場検証の打合せなどして電話を終えました。

 

翌日に先述の警察官より「加害者の要望があり携帯電話の番号を教えていいか?」との問い合わせがあり

了承すると、暫くして相手ドライバーのH氏より電話がかかってきました。

泣きそうな声で「今回は私の不注意で怪我をさせていまし申し訳ありませんでした」と憔悴した様子で謝罪してきたので「この人は誠意のある人だな」などと同情して「誰にでも間違いはある、間違いを繰り返さないことが大事、自分もひと月くらいの怪我で済んだし、たまたま通りかかった自分も運が悪かった」などと少し上から話をして心配しないように元気づけました。

(教訓2:被害者のお見舞いは保険会社に促された形だけのものだと後に判明します。電話の場合は特に相手の表情などが分からないため同情などせず具体的な「相手の住所・氏名・免許書番号」や「事故当時の状況」などを冷静に聴取するべきで、可能であれば了解を取って録音することが必要です。)

 

入院中は痛み止めを飲みながらベットでじっとしている状態です。

コルセットをしていても身体を起こすのもままならないくらいに痛みがひどく、看護士さんが用便のためにベッドの横に簡易トイレを持ってきてくれたのですが、結局使用することはなく革ジャンとブーツ置きとなっていました。(さすがに初心者にはハードルが高いですね)

入院生活で大変だったことは、斜め向かいの高齢の患者さんが昼間はずっと静かに寝ているのに真夜中になるとゴソゴソ起きだして簡易トイレで長い間「うんうん」唸っていて2日ともよく眠れなっかこと。

そのリアルな音と匂いで「厳しい入院生活」を実感しました。

 

順序が逆になりますが、食事は場所がら食材はとても良かったのですが、定説通り薄味でしかも量がとても多く「あの老人たちはいつもこんなに食べているのか!」と衝撃を受けました。(もしかしたらサービスしてくれてたかな?)

 

翌月曜日の朝、警察に提出する「診断書」を用意してもらい二泊三日の入院生活を終えました。

事前の打合せ通り病院の玄関にパトカーで迎えに来てもらって事故現場に向かいました。

 

現場検証は「どこで相手車両を視認したのか」「飛び出してきたのをどの場所で視認したのか」「その時のスピードは」などタイヤ痕を見たりしながら記憶を振り絞って確認し、道路で数か所現場写真撮影をしました。

(ここでも通行中の車両にご迷惑おかけしてしましました)

 

立ち合いの警察官が「怪しいと感じたら止まれるくらいまでスピードを落とせば良かった」などともっともなことを言っていましたが、スピードを落として相手ドライバーに全神経を集中させて運転していた身としては結果論としか受け取れませんでした。追い抜いた車が後ろにいる事や交差点でも何でもない場所での急激な減速の方がよほど危険な行為ではなかったかと回想しています。

道路交通法上は私の運転に過失は見当たらないという現場判断です。

 

相手側保険会社は「あなたにも前方不注意という過失がある」とずっと主張し続けています。

 

私たちは自動車教習所で教わった「道路交通法」を理解し、運転技能を認められた免許取得者相互の認識を前提に運転をしています。対向するドライバーが「テロリスト」のように突然、法律を無視した運転をする事を前提にはしてはいません。でないと恐ろしくて運転できません。この「テロ行為」は社会生活と同様に交通社会の成立を根底から揺るがすものだからです。

 

特に今回はバスケットボールでいう「ノールックパス」のような急発進の飛び出しです。

「ノールックパス」とは敵にパスを察知されないように「よそ見」をしながら素早くパスを出すテクニックです。

私は対峙する相手の行動を予測するために相手の「視線」や「動作」をずっと全力で観察していました。

(結局後頭部しか見えなかったのですが…)

NBAの選手でさえ止められない「ノールックパス(急発進)」を一般人の私が止められ(回避)できなかった

ことが果たして過失と言えるのでしょうか?テロの被害者に回避する責任を求めるものなのでしょうか?

 

現場検証を終えてパトカーで病院まで送ってもらい駐車場で先述の福岡のバイクショップ店長がやってくるのを待っていると「JA共済〇〇〇き、補償担当のMです。今後の対応についてご説明します」と女性の担当者から電話がかかってきました。

 

今回も長くなってしまいました。次は「JA共済の対応と疑念」についてお話しします。

 

CB1300SBとの再会まであと2時間