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vol.9 小国町くじゅうわいた展望公園入口付近のバイク事故で道路に寝ていたのは私です

2023年11月11日 熊本県小国町バイクと軽乗用車の衝突事故

タンデムグリップ「MOTTE」開発者のSです。

 

 前回の「CB1300引き取りと保険会社への不信感」からの続きとなります。

 

インターネットで弁護士に依頼する」という行為は法曹界への敷居の高さを感じている人にとって

たいへん抵抗があるものです。今まで弁護士と話をしたことのない人ならなおさらです。

今回のように突然弁護士を必要とする事も現実には起こり得るので、間違った選択をしないように

事前に情報収集をすることがとても大切です。

 

通常弁護士に相談する場合は弁護士事務所に連絡して訪問日時を決めてから事務所に出向きます。

1時間5,000円~など料金設定はそれぞれですが、初回のみ無料相談を受けているところもあります。

行政の無料法律相談サービスを利用することも可能ですが、より手間がかかる印象です。

 

インターネットで「弁護士」「交通事故」などのワードで検索するとトップに大手弁護士事務所がヒット

し「保険会社基準」「弁護士基準」「裁判基準」など聞きなれないワードと供に示談交渉のエピソード

が紹介されます。

要約すると、保険会社は示談交渉の際に相手が素人だと安い補償金額を提示してくるが、法律や裁判判例

に詳しい弁護士が介入することで逆ぼったくりを回避できますということです。

費用は示談賠償金額の何%など比較的定額に設定されているようです。

 

まず注意しなければならないことは、弁護士事務所も営利目的に活動している事を忘れてはならない

ということです。保険会社は少しでも支払い金額を少なくして会社に利益をもたらすこと、弁護士事務所

は本来被害者に支払うべきお金を保険会社から取り返して手数料を稼ぐという構造の中で賠償交渉をする

ことになります。

 

間違っても相手保険会社や依頼する弁護士がドラマのように善意で被害者の救済をしてくれるなどと

思わないでください。知識や経験がない無知な一般人飯のタネにしている商売人に過ぎないということ

は実際に話をしてみるとよく分かります。

 

さて、保険会社の「証拠隠滅」を恐れた私はインターネット検索で手数料の安い東京の弁護士事務所の

サイトへアクセスしてみました。

サイト内のフォーマットに住所、氏名、連絡先と簡単な相談内容を記入して送信すると、すぐにK法律事務

から折り返しの連絡が来ました。評価サイトの中では一度アクセスすると勧誘がしつこいとありましたが、

なにぶん初めての事なので弁護士事務所の比較などをする余裕はありませんでした。

 

弁護士に事故状況・人身損害状況・双方の保険加入状況などを説明して、特に心配した「証拠の確保」などを

相談しました。弁護士でも相手側の「証拠」の確保は裁判にならないとできないと教えてもらいました。

後日契約の際には結果的にお金が取れる「人身傷害補償」の交渉は引き受けるが「物損補償」については受けない

といの事でした。つまり遠隔地なため「物損補償」の交渉は手間暇がかかる割に「金にならない」というのが現実でしょうか。

 

 

問題の「ドライブレコーダー確認」後の連絡は何日たってもJA共済からはありません。

連絡を待っている間に自分の共済保険手続きのために「加害者ドライバー」に住所・免許証番号を問い合わ

せをすると、1日経ってお見舞いの言葉とともに回答が返信されてきました。

個人情報を伝えることに抵抗があったのか、保険会社と協議の上の回答だったのかは不明です。

この時は、まだ「加害者ドライバー」が誠実な人間だと思っていたので、返信が遅かったことは深く考えて

はいませんでした。

 

11月21日、1週間経ってもJA共済からは何の連絡もないため「何か良からぬことを考えているのでは」と

私は思い始めました。強迫観念とでも言えばよいのでしょうか?私は専門家の介入の必要性を感じて東京の

K法律事務所に交渉を依頼することを決心しました。

宣伝文句に踊らされた感はあるものの、組織と対峙するには一人では心もとないと思ったこと、良からぬ

ことを考えているかもしれない保険会社にプレッシャーをかける必要があると感じたためです。

 

交渉代理人に「委任」する手続きはさすがネット社会というか、さすが東京の会社というべきか、書類は

PDFファイルに署名するという形で簡単に契約を交わすことができました。

 

 

年末も押し迫った12月15日に担当警察官と打合せて、供述調書作成のために小国警察署に出頭することに

なりました。ちょうど寒波が押し寄せてきており積雪を避けてこの日を選びました。小国町は公共交通機関

が不足気味で車でも往復5時間ほど要する自然豊かなところに位置しており、再び帰れなくなることは何が

なんでも回避したかったからです。

 

警察署では実況見分の結果を踏まえて事故状況を自分の立場で説明をしながら調書を作成していきます。

見取り図や自分と相手との位置関係、事故に至った原因の考察など1時ほどかけて作成しました。

そして調書作成の最後に「加害者への処分の要望」といった内容を尋ねられました。加害者へ向けて

寛大な処分を要望する道交法に沿った通常の処分を要望する厳罰を要望するといった3択から選びます。

 

私は「加害者ドライバー」の無謀な運転を強く主張・非難しましたが、年齢が若かったことや誠実さを信じて

通常の処分を要望しました。(後にこの時の要望を訂正することになりました。)

 

そして何も動きがないまま2023年末を迎えました。

 

今回も長くなってしまいました。次は「見えない加害者と交渉決裂」についてお話しします。

  

 

JA共済との交渉再開まであと2週間